JudyJun 1st solo album
BEK
GNJJ-001
パッケージ版 ¥2,500 (tax-in)
ダウンロード版 ¥2,000 (tax-in)
【収録曲】
 1.Bek
 2.【stae】
 3.Obsession
 4.Bully Gian
 5.9×9
 6.JUDYjam1
 7.JUDYjam2
 8.Tweet
 9.【nancy】
 10.失楽園

2017年5月15日発売

※2018年3月24日再販開始
■パッケージ版
店舗&通信販売TOKYO FUTURE MUSIC(東京未来音楽)にて取扱
■ダウンロード版
JudyJun Online Storeにて取扱



■「BEK」コンセプトについて

今回特にコンセプトはこれといって決めて制作したわけじゃなかったんですけど、以前からバンド以外の音も聴いてもらいたいなって、インストアルバムを出したいって想いがすごくあって、More以前に他方面で携わせてもらった曲とか、そういうのをいったん音源化して、まだ聴いてない人に聴いてもらいたかったのがあえていうなら今回のコンセプトですね。

■「BEK」タイトルの意味は?

BEK(ベク)これは"Black Eyed Kids"(黒い目の子供たち)の略なんですけど、いたるとこで真っ黒な目の子供の目撃情報があったみたいな海外の都市伝説で、わかりやすくいうとなんだろう?ホラー映画の「呪怨」でいうとこの「としお」的な、わかんないかな~(笑)まぁBEKってそんな怪談的なキーワードなんですけど、今回インストアルバム出そうって思ったときにどの曲いれるかって選曲してた時に、ことごとくどこか精神的に不安になるような曲ばかりで(笑)でもそういう曲作ってたときはバンドっていう形式がなくてあえてできたものもあったんだなってことも振り返ってみて、形式にとらわれない純粋さをKids(子供)、その内面から自然に生まれた怖さをBlack Eyed(黒い目)、という客観的な視点でこのタイトルにしました。

■「BEK」制作について

ソロ作品を制作するときは文字通り全ての作業を自分自身だけで完結させたいと思っていたので、音源だけでなくアートワークも含めて全て僕個人で制作しました。過去に制作を依頼頂いた劇伴から数曲、以前にSNSで公開していた曲や未発表のデモなどを再編集しました。サウンド面ではギター、サンプリング、KAOSSILATORとKAOSS PADという機材をメインに構築していきました。ループものがほとんどですが、その限られたルールの中で必然性みたいなのは出来る限りなくしたくて、打ち込みはあまり使わないようにして、レコーディング中にその瞬間の感覚をパッケージングできるように色々変な手法を使ってみました。センサーのついた指輪で手を振ってエフェクトかけたりとか(笑)

■曲解説 Track.1「Bek」(4:22)

表題曲かと思いきやこのタイトルはまったく別の意味のBek(ベク)です。ポーランドのベクシンスキー(Zdzisław Beksiński)という画家の絵からインスピレーションを受けて作った曲です。退廃した都市、狂気、恐怖…。このアルバム全体のイメージを包括しているような曲だと思います。なのでやっぱりそういう意味では表題曲ですね(笑)この曲は元々Moreのデモ曲としてコンセプト的に制作したものなのですが、個人的にインスト曲として気に入っていたのでそのまま残すことにしました。でも実はこの曲の一部はMoreの「The Hanged Man」という曲にも引き継がれています。一粒で二度美味しい曲ですね(笑)

■曲解説 Track.2【stae】(2:20)

ある公演の劇伴でヒロインのテーマソングとして制作した曲です。インストアルバムとかいいながら歌入ってますね(笑)後半の方のピアノはあえて音階を外しにいっているところが個人的に気に入ってます。その公演の脚本の中で阿片中毒のシーンがあったので壊れていく美しさみたいなものを表現したかったんですよね。後日談でその公演の座長さんがこの曲すごく気に入ってくれて、でもスパルタ稽古中に延々とこの曲流しまくっていたらしいのでその時の役者さんはこの曲トラウマらしいんですよ(笑)あとね、実はこれ僕歌ってるんですよ(笑)もちろんプラグインで声質変えてるんですけど、初ボーカル作品です(笑)

■曲解説 Track.3「Obsession」(1:53)

「Obsession」は「強迫観念」という意味です。このアルバムの中で一番不安になる曲なんですけどこの曲作っていた時どんな心理状態だったのかなって(笑)KAOSSILATORとKAOSS PADというなんとなく指で画面タッチするだけで演奏できるシンセ&エフェクターをフル活用してます。楽器弾けない人でも感覚で音楽できちゃうステキな機材です。ギターにも使っています。最近はアプリでもあるんでみんなも使ってごらん?カオスな音鳴らせるよ?(笑)

■曲解説 Track.4「Bully Gian」(1:25)

ゲーム音楽っぽいですね。悪い奴らが悪いこと企んでるイベントの時に流れそうなやつ(笑)あとちょっとHIPHOPっぽいかも、ギャングな感じ。ンゴンゴいってる音が子分っぽくてお気に入り。タイトルの「Bully Gian」は「ガキ大将ジャイアン」という意味で、マイケル・ジャクソンの「Billy Jean」とかけてみたんですけど特に共通点はありません(笑)

■曲解説 Track.5「9×9」(2:33)

問題作ですね、洗脳ソングかっていう(笑)さすがに劇伴で使い所が難しくてボツになった曲ですね。(笑)VOCALOID使っています。でも歌というより打楽器みたいな位置で。個人的には一番狂気を感じる曲です(笑)

■曲解説 Track.6「JUDYjam1」(1:53)

唯一のギター推し曲です(笑)途中で小人みたいな小さな生物がわらわらでてきそうなセクションがあるんですけどそこがかなりツボです。(笑)

■曲解説 Track.7「JUDYjam2」(1:14)

これもギター曲かと思いきや、まったく展開されない裏切り曲ですね(笑)実はドラム推し曲です。オールドスクールとかガレージとか汚れたドラムサウンドのブレイクビーツ好きなんですよ。

■曲解説 Track.8「Tweet」(3:04)

かなり実験的な曲。むしろ音楽とはいえないかも(笑)過去にSNSで「音ブログ」として、その時のブログの文章を読み上げた自分の声をサンプリングして、それを有機的なエフェクトを通したり、PCで無理やり音符化してそれをストリングスのピチカートサウンドに変換して、あと街の音をサンプリングしたりして、ミックスして日常風景の音を強制的にテクノロジーで音楽に変換したらどうなるか?みたいなことをやってみた(笑)バックで流れるピアノは52拍からなる1分程度の曲を840回繰り返すという世界一長いピアノ曲といわれるエリック・サティの「Vexations」("嫌がらせ"という意味です笑)。

■曲解説 Track.9【nancy】(2:15)

【stae】と姉妹曲。劇伴でもまさにそんな魂の姉妹というべきサブヒロインのテーマソングでした。和音展開は【stae】と同じですが、合唱曲のような感じになっています。こちらの声はもちろん僕の声ではなく(笑)全てサンプリングです。こういう合唱曲っぽいのはバンドサウンドの方でも取り入れてみたいですね。

■曲解説 Track.10「失楽園」(4:13)

アルバムを締める最後の曲。この曲も「Bek」同様元々はMoreのデモ曲としてコンセプト的に制作したものです。タイトルの「失楽園」は完全に後づけで、諸星大二郎氏の「失楽園」からとっています。というのもこの作品を読んだ時に、自分のこの曲のイメージまんまだ、ってなったの初めてで、普通映画とか本とか読んでそこからインスピレーションを受けて音楽にアウトプットっていう順番が自然なことだと思っていたんですけど、この曲はその逆でした。元々作った曲にあとからインプットされてイメージが一致した作品。素晴らしい作品なのでぜひ読んでみて下さい!諸星大二郎「失楽園」!ってなんの宣伝しているんだろう(笑)ラスサビ(サビっていうのかな?笑)前の女性の吐息の声のブレイクが最高にハイライトなのでそこはぜひ集中して聴いて欲しいな。

■「BEK」制作後記

インストアルバムっていうとどうもいわゆるBGM(バックグラウンドミュージック)というカテゴリというか、無味無臭なイメージがしてしまうような気がしていたのですが、そこはあえて攻めの姿勢でボーカルアルバムにはできない突き刺さる表現をしてやろうっていう意気込みで制作しました。家のスピーカーで流してたら家族から「あんた大丈夫?」っていわれるようなものを目指して(笑)でも不思議なもので、高校生くらいの頃に自分1人の力だけでアルバム作りたいって思っていて、その時も手書きでジャケット書いてコンビニでコピーしたりとか(笑)その時なりに色々制作していたことがあったんですけど、あれから時を経て色々なこと経験できて、できることも広がってあの頃できなかったことが今こうして当たり前のようにできることを感慨深く思います。制作する力をくれるのはいつでも聴いてくれるみんながいてからこそです。今回この「BEK」の楽曲達がみんなの心に何かしら残るものであればいいな、と。トラウマとか不安にならないことを祈ります(笑)


© 2017 Gantzfeld Records